活動をしていて感じること

母語(継承語)の絵本を届けるということ。 

母語で読む楽しさ

日本語を勉強中の子どもたちのいる教室に行きました。小学校一年生のブラジルから来た男の子一人だけに読み聞かせようと、いろんな絵本を見せて選んでもらったところ、『はらぺこあおむし』(作:エリック・カール 訳:もり ひさし 偕成社)のポルトガル語版を選んで私に見せました。

「これはブラジル人の先生に読んでもらってね」と言ったら、さっそくお願いに行きました。そのあと、日本語版を私に見せて「1,2」と言いながらどうやら1ページずつ日本語とポルトガル語で順番に読んでくれと言ってるよう。「どっちが1?」と聞いたところ、日本語が先でポルトガル語はあとだと必死に伝えてくれました。

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いざ読み始めると、ほかの大きな子どもも三人自然に集まって大騒ぎしながら聞き入っています。結局大きな注目はポルトガル語に集まり、やりとりもポルトガル語がほとんどでしたが、二言語ちゃんと聞いてくれました。たくさんのおいしい食べ物が出てくるところで、日本語で節をつけて歌いだした子もいました。「ぺっこぺこ」と言う日本語のオノマトペを口ずさむ子どももいます。私たちが外国から来た子どもたちのために絵本を読むのは、日本語にこだわらず、絵本そのものを楽しむ体験をしてもらうためだという気持ちを再確認したエピソードでした。

そのためには絵本がなくっちゃ!

母語(継承語)での読み聞かせは、子どもの心の琴線に触れる「体温を感じられる」言葉を届けるために、必要不可欠だと信じています。今回は二言語同時に読みましたが、母語(継承語)での読み聞かせが大切であることは疑いようもありません。そのためには、外国語の絵本が必要です。日本で入手するには高価だったり、図書館で借りにくかったりします。全国の図書館や文庫、学校図書室などで、子どもたちが容易に自分の母語(継承語)の絵本が手に取れる社会になるといいなぁと心から思います。(さびねこ)

※ポルトガル語版の「はらぺこあおむし」
Eric Carle, A lagartinha muito comilona,kalandraka

 

 

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さびねこ
日本語教師。外国人の子ども達のためにどんな絵本が良いかいつも考えている絵本専門士でもある。週末は猫と遊び、テニスを楽しむ。北海道出身。